広告・販促の英語 文法的には飛んでいるが、強いインパクトを持つ広告やカタログなどのコマーシャル・コミュニケーションの英語。俗に言うコピーライティングです。ただ単に文章を書いたり、翻訳しただけでは「OK」と言えないプロモーションの英語をじっくり見てみることにしましょう。
Last update March 26, 2015




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そもそもコピーライターって何?

コピーを取るライター?

去ること20年以上も昔、やたらとカタカナ職業が脚光を浴びていた時代がありました。コピーライターとかデザイナー、プランナーなど、もちろん英語をベースとしたカタカナ表記の職種のことですね。ちなみに、コピーライターとは「複写」の意味の「コピー」や、火をつけるときに使う「ライター」ではないことは言うまでありません。そもそも「コピー」とは、「広告文案」のことで、「読むことで、いかに良い商品かと思わせ、買ってもらうかの決め手となる」文章ということになります。

当時は、スター的存在のコピーライターがテレビにも登場し、キャッチフレーズ1本十万円とかで、ネコも杓子もコピーライターになりたい!といった風潮があったものです。しかし、文才というものはあってないようで、見る人が見ると、やはり、そこには厳然とした差があるもので、少しくらい文章がうまいということでは優れたコピーライターにはなれません。そこには、表現の発想の面白さ、実際の言葉の選び方、センスといったものが合わさってそれなりのものが上がってくるわけです。つまり、プロのお仕事であり、センスや才能に加えて、業界ごとの常識などもありますので、知識や経験も必要になってきます。

昔話になりますが、筆者が学校を卒業して、とある広告関係の制作会社に入社した頃は、いわゆるコピーライターとして入社して来た人は(もちろんデザイナーの人もですが)競争率10倍くらいのなかから選ばれて来た人たちがほとんどでした。最初は、指導してくれる先輩などにつき「技術は教えない。盗むものだ」といった厳しい(?)師弟制度のような環境で修業します。入社したての新人さんは見習いの期間ですので、いちおうコピーライター候補ということで、カンタンな文章などを書かせてもらったりしながら(そういう意味ではライターですが)、もっぱら先輩たちのために資料や原稿のコピーを取ったりする「コピー」ライターだったわけです。

時代も移り変わり、日本も幾多の経済危機を乗り越えましたが、その間、不況とあらば真っ先に削られる広告宣伝費のあおりを受けて、広告・販促業界には残念ながら「斜陽」のイメージが漂う時代です。さすがに「コピーライターになりたい!」と思う人が、果たしてどれくらいいるのかわかりませんが、ついでですので、コピーとは何かということをもう少し深めてみたいと思います。

普通の文章とどこが違う?

冒頭にも書きましたが、コピーとは「読むことで、いかに良い商品かと思わせ、買ってもらうかの決め手となる」文章ということですから、「あ!いいな、欲しいな」と思わせないとダメなわけで、願わくば「お買い上げ」いただくのが目的なのです。単に情報を伝えるだけでなく、売り手の意図する目標につなげなければ意味がありません。「そうか。じゃ、カッコいい表現を考えればいいんだな」と思われるかもしれませんが、それだけでは成り立たないのがコピーライティングです。いくらカッコいいインパクトのある表現をしたところで、訴求する商品やサービスに関係がなければ意味がありません。コピーライターになりたい!と思う人の大半は、この辺を勘違いしていることが多く、コピーライターとは「面白く言葉遊びをしながら稼げる」職業だと思ってしまうのです。

あるいは、自分は文章を書くのが好きだから(得意だから)「コピーライター」にでもなろうかな?などと思う人もいるかもしれませんが、これも違いますね。文章が多少上手くても、それだけで良いコピーが書けるわけでもありません。自分の書きたいことを好きなように書くのがコピーライターではないからです。たとえ素晴らしい文章や芸術性の高い表現ができたとしても、訴求する商品やサービスが売れなければただのゴミです。これはデザインも同じです。アートとかクリエイティブとか一般的に言われることもありますが、その前に、「モノを売るためのお手伝い」というビジネスであることを忘れてはいけませんね。業界の動向、商品・サービスの特性、クライアントのニーズ・市場での優位性や差別化などを織り込んだうえで、読み手の理性と感性をくすぐるのが、コピーの使命なのです(理想ですが)。

基本的なスキル?

もちろん、業界や商品の深い知識は欠かせません。それに加えて、日本語のコピーライターであれば基本的な正しい日本語の知識も不可欠です。最近よく見かけるのですが、「ひけらかす」(得意そうに見せる、見せびらかすの意味)を「ひらけかす」と平然と言ってのけたり、「取りつく島がない」というのを「取りつくがない」と勘違いしていたり、「枯れ木も山の賑わい」と言えば「それ何ですか?」と意味を知らない というのでは、やはり少し日本語の勉強が必要ですね。とは言え、筆者も日本語は弱いほうで、その昔、「狐につままれる」を「狐につつまれる」などと言って友人に笑われたこともありますのでエラそうなことは言えませんが、要は、今からでもきちんと覚える、絶えず辞書で確認するなどの努力を重ねればいいのです。

また、もう一つ大事なことは、コピーを書くのはビジネスですから、クライアントの言いたいことを盛り込めない(あるいは、クライアントの言うことが聞けない)、納期が守れないというのは問題外ですね。特に、納期については、自分の後には必ず次の工程があり、自分が遅れるということは次の工程の遅れへとつながり、最悪の場合、全体として大きな損失につながるという意識が必要です。納期は死んでも守る(もちろん過労死してはいけませんが)、くらいの覚悟がないといけません。どんな仕事でもそうですが、たとえ自分がここで死んでも世の中は動き続けるのです。仕事も回り続けます。また、そうでなければいけないのです。逆に言えば、プロとして「限界を把握し、決して安請け合いしない」という心構えも大切だと言えるでしょう。