広告・販促の英語

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そもそもコピーとか、英文コピーって何?

コピーライター?
去ること10年以上も昔、脚光を浴びていたカタカナ職業。なかでもコピーライターとかデザイナー、プランナーなど、カッコイイ響きの職業が注目を集めていました。ちなみに、コピーライターのコピーとは「広告文案」のことで、言ってみれば、「読むことで、いかに良い商品かと思わせ、買ってもらうかの決め手となる」文章ということになります。当時は、スター的存在のコピーライターがテレビにも登場し、キャッチフレーズ1本○万円とかで、ネコも杓子もコピーライターになりたい!といった風潮があったものです。しかし、文才というものはあってないようで、見る人が見ると、やはり、そこには厳然とした差があるもので、少しくらい文章がうまいということでは優れたコピーライターにはなれません。そこには、表現の発想の面白さ、実際の言葉の選び方、センスといったものが合わさってそれなりのものが上がってくるわけです。

昔話になりますが、筆者が学校を卒業して、とある広告関係の制作会社に入社した頃は、いわゆるコピーライターとして入社して来た人は(もちろんデザイナーの人もですが)競争率10倍くらいのなかから選ばれて来た人たちがほとんどでした。最初は、指導してくれる先輩などにつき「技術は教えない。盗むものだ」といった厳しい(?)師弟制度のような環境で修業します。入社したての新人さんは見習いの期間ですので、いちおうコピーライター候補ということで、カンタンな文章などを書かせてもらったりしながら(そういう意味ではライターですが)、もっぱら先輩たちのために資料や原稿のコピーを取ったりする「コピー」ライターだったわけです。

英文コピーライター
筆者の場合、日本語のコピーライターに混じって入社試験を受けていたところ、二次試験くらいで、「国際部」の空きがあるからこちらを受けないかと誘われ、できれば英語を活かしたかったというのと、こちらのほうが一般のコピーライターで受験するよりはるかに競争率が低いため、「あ、そうですか」という軽いノリで受験、採用していただきました。

筆者も最初は、カンタンな商品の総合カタログなどの仕事を担当させてもらいました。文章を書くというよりも、商品の特長の項目を並べる作業がほどんどで、なんだかガッカリしたものですが、この商品の特長並べというのも結構むずかしいのです。総合カタログですから、商品のカテゴリーに従って複数の商品を並べ、その特長項目をアレンジするという作業です。まず、商品を並べる順番、だいたい、機能の低いモデルから高いものへ(その逆の場合もあります)と並べていきますが、それぞれの商品の特長を把握しなければそれができません。また、同様の機種には同じ特長がありますが、それぞれ異なった特長も持っていたりでなかなかややこしいのです。同じAという特長であっても、ある商品では、これ以外に優れた特長がないためトップに来ますが、別の商品なら他に優れた特長があるので、特長Aは三番目に来るというふうに、矛盾しないように並べなければなりません。もちろん、表現の統一が大事ですので、同じAという特長なら商品CでもDにおいても、同じ表現をしなければなりません。特長のアレンジが終われば、それぞれの商品に、その特長を捉えて「○○を備えた、○○のための○○商品」といったヘッドラインをつけていきます。また、表4(裏ページ)には、それぞれの商品の仕様を表にしてまとめます。こういったことをすべて踏まえながら、一冊のカタログのテキスト素材を編集・作成するわけです。こういったテキスト素材のこともコピーと呼びます。だいたい何ページくらいで、どこのページにどんな商品を掲載するという割付けを作るのもコピー担当の仕事です。このページ割付のことを「サムネイル」と言い、英語のthumbnailから来ていますが、本来の意味はいわゆる「親指の爪」。つまり、親指の爪のように小さなスケッチという意味で、全体のページ割付をA4またはB41枚ないし2枚程度でまとめます。

そうこうしながら、2年くらいたつと、本格的な英文のコピーを担当することができるようになります。筆者にとって幸運だったのは、この会社が英文コピー作成において独自のやり方をしていたことです。たいていの制作会社は、英文モノとなると、即翻訳会社に依頼し、それをそのまま使うことがほとんどです。従って、英文担当者は、日本語の原稿を翻訳会社に依頼し、上がってきたものをチェックし、納品するという、いわば、「橋渡し」的な役割をしますので、ライティング自体を経験することがありません。しかし、ここの会社では、英文コピーはただの翻訳ではダメだという考え方をしていたため、一から社内で作るという方針を持っていました。この方針のおかげで、英文でのライティングというものを学び、経験することができたわけです。その後、この会社を辞めて別の会社に入社しましたが、そこでも、英文は翻訳会社へ横流しという方法が取られており、一から英文コピーとして作り上げるという方法を採用しているところはないようです。

英文コピーライターとは、文字通り、英文のコピーを書く人を言いますが、厳密に言うと、やはりこれは英文の文案ですから、最終的なアウトプットはネイティブのライターを通します。言い換えれば、ネイティブのライターとペアで英文コピーを作成するということになります。これも、日本に生まれ育った日本人がすべて日本語のコピーライターになれるとは限らないように、英語圏に生まれ育ったネイティブというだけでは、英文のコピーライターにはなれません。ネイティブでもそうなのに、ましてや、学校を出たての日本人の英語力くらいではとても英文のライティングなどはできません。日本語でも英語でもそうですが、ライティングというものは、やはり特殊なトレーニングが必要です。学校でやった英作文などでは、せいぜいネイティブライターに日本語の資料の内容をざっと伝えるくらいしかできないのです。熟練レベルの先輩になると、ネイティブのチェックはほとんど細かい冠詞、前置詞レベルだけという人もいましたが、筆者の場合、なにしろ、駆け出しのレベルですから、ネイティブによって容赦なくリライトされてしまいます。自分の作った英文はどこに… といった寂しい状況でした。

英文コピーの作成方法にもいくつか方法があり、現地マーケットに即決した広告コピーともなると、現地のライターに依頼して好きなように(?)書いてもらうという方法が妥当ですが、日本で制作し、現地供給する販促物や広報物などのライティングは、日本語の原稿や資料に基づいて、日本人の優れたライターが英文化し、ネイティブがブラッシュアップするという方法や、日本語のわかるネイティブが最初から担当する場合もあります。また、日本人担当者が英文でディレクションシートなどを作成し、それに基づいてネイティブライターがライティングを行う、あるいは、短いものなら、口頭で説明して書いてもらうという方法もあります。ただし、ディレクションのみで一からライティングができるようになるには、ネイティブライターにも、該当する企業のこと、商品などの内容を熟知している必要があります。