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Comma
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句読点(2)―コンマ「, 」
前回はperiod に焦点を当ててみましたが、今回は、句読点のなかでもたくさんのルールがあるcomma について見てみましょう。
コンマといえば、日本語の「、」の英語版かな?というのが最も単純な理解のしかたですが、日本語の「、」のように感覚でつければいい、というものでもなさそうです。「たかがコンマひとつ」ではすまされないものがあります。かと言って、すべての人が同じように厳密なルールに基づいてコンマを使っているということでもありません。そこには当然のことながら、個人の好みや考え方があるわけですし、ある人は厳密な考え方をしますし、ある人は感覚的な使い方をするかもしれません。しかし、ある一定の規則というのはあるわけで、ここでは、一般的にルールとして捉えられている「コンマのいろんな用法」を紹介してみましょう。
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ちょっと「一息」の働き
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「ちょっと一息」と言ってはコーヒーを飲み、「ちょっと息抜き」と言っては新聞やマンガ本を読む。いったいあの人、いつ仕事してるんやろ?オフィスでよく見かける光景。こんな厳しいご時世になっても、こういう人のひとりやふたりいるのが世の常です。ひょっとしたら、自分自身がそうかもしれません。いや、アタマの痛いお話ですね。かといって、朝から晩までカリカリ、カリカリ、机にしがみついて何やらやっている、昼休みくらい休めばいいのに。仕事中毒なんだから… というのもどうかと思います。そうです、何事も「中道」が大切なんですね。
コンマの使い方にも同じことが言えます。あまり「コンマ」を奮発しすぎて、
On Sunday, she went to office, to finish her assignment, which she had been working on, for three months, but, she knew, that she had left the office key, at home, and, she had to give up the idea.
ということになると、コンマが多すぎてなかなか文章の最後まで行きつきません。これでは、やろうと思っていた仕事も遅々として進まない、なんてことになってしまいます。逆に
On Sunday she went to office to finish her assignment which she had been working on for three months but she knew that she had left the office key at home and she had to give up the idea.
となると、もう読む前からギブアップしてしまいそうな、長〜い文章があるだけで、まるで長いうどんを一息で食べなければならないような苦しいことになるのです。「うどん」と言えば、日本人が世界に誇る「特技」というのがこの麺類の食べ方だと思います。熱いうどんをズーッ、ズーッと音をたてながらおいしそうに食べるというのは、「食事の時には音をたててはいけない」と小さいころから教えられている西洋人にはできません。だから何だ、と言われそうですが、簡単に言ってしまえば、「コンマ」というのは、長い麺類を食べるのと同じで、適宜に「ズーッ」という「ブレイク」を入れることで、長い文章もラクに読めるというわけです。
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コンマのルール
かといって、適当に感覚的にコンマを入れればよいというものではないので、以下に具体的な例をリストアップしてみます。
1
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三つ以上の言葉を羅列する場合に使用
He hit the ball, dropped the bat, and ran to first base.
She had bread, coffee, and ham and eggs for breakfast.
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学校では and の前にはコンマは不要だと習ったかと思いますが、そうとも限りません。以下のような場合もあります。
I plan to see Mary and Tom will go drinking while we see.
Mary and Tom 二人に会いにいくのかな、と思って読むと「あれ?」ということで、結局、会いにいくのは Mary だけで、 Tom のほうはなんだ「飲み」に行くのかとなります。ここで最初から Mary の後にコンマがあれば、 Tom は、別の文章のユニットに入るんだという心構えができます。
I plan to see Mary, and Tom will go drinking while we see.
この and の前のコンマを the serial comma 、the Oxford comma 、またthe last comma 、the final comma とも呼びますが、専門家の間でも、この最後のコンマが必要か、必要でないか議論が分かれているようです。しかし、混乱を防ぎ、明確に表現するためにも「入れておいたほうが良い」という意見が多いようです。
ただし、前回も「ハム」と「エッグ」の説明で触れましたが、例文の二番目のように、「ハムエッグ」とひとつセットになっている場合は、and の前にコンマはつけません。もっとわかりやすい例をあげると次のようになります。つまり、「タイプと速記」、「スペルと語彙」などといったセットになった勉強のコースがあるということです。
Typing and shorthand, spelling and vocabulary, grammer and punctuation are the most popular courses.
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2
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完全な文章を2つつなぐときの接続詞の前に使用
He did his best, but his boss didn't like his ideas.
She invited Henry to the party, and he accepted the invitation.
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これを専門用語で言うと、「2つの独立節をつなぐ等位接続詞の前に使用」ということになります。
まず、この「独立節」ですが、英語で an independent clause と呼ばれるように「文章が独立している」ということです。「独立」というと文字通り、一人立ちすることで、文法では「完全な文章」、つまり「主語」 (subject) と「述語」 (predicate) をちゃんと具えている文章ということになります。「主語」と「述語」が装備されていない文章は、いくら長くても「一人前」とは言えないわけです。
接続詞は conjunction と呼ばれますが、どんなものがあるかというと、前の例文で出てきた and もそうですが、他に but 、 for 、 nor 、 yet 、 or 、 so などがあり、文字通り文章と文章をつなぐ役割をします。
日本語は「しかし」、「そして」などの接続詞が来ると、その後に「、」をつけることが多いのですが、英語では「前」につきます。日本語の感覚でコンマをつけようとすると、なんとなく but の後にコンマをつけたくなります。「息つぎ」という意味では、「しかし」と言った後におもむろにポーズを置いたりするのですが、これは話し言葉でのことで、ライティングには当てはまりません。
もちろん、絶対に but の後にコンマが来ることは無い、とは言いきれませんが、あくまでもそれはレアなケースだということです。ネイティブもよく間違うことがあるらしく、ライティングのノウハウマニュアルなどにも「間違い」として指摘されています。
つまり、
But, she did get it done on time.
という用法は正しくないということです。この場合、文章の頭に but が来ているので、その前にコンマは不要ですが、 but の後にもコンマが不要だというわけです。
では、こんな場合はどうでしょう?
a) But, to be fair, she did get it done on time.
b) The ministry changed its policy and the number of complaints dropped immediately.
見てのとおり、a) はコンマがありますが、b) については、コンマがありません。
a) の場合は、なんだ But のあとにコンマがついているじゃないか!と言われそうですが、これは実は、But のためのコンマじゃないわけです。じゃあ何のためのコンマなんだ、ということですが、次の to be fair のためのコンマです。この to be fair のように、文章の合間にチラッと入れる言葉を「挿入句」と言いますが、挿入句が入るときはその前後にコンマが入るわけです。
次のb) ですが、完全な文章を2つ and でつないでいますので、ルールどおりであれば、コンマが要るんじゃないか、と思ってしまいます。おっしゃるとおりで、非常にややこしいのですが、これが「例外」というヤツで、「例外のないルールはない」と言われるものです。つまり、「内閣が政策変更して、苦情が一気に減った」ということで、因果関係というか、2つの文章の関連性が強いですね。こういう場合には、コンマはつかないのが普通のようです。
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3
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導入節が来る場合に使用
Running toward third base, he suddenly realized how stupid he looked.
If you see an accident, call the emergency response team.
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「導入節」というのは、いわゆる「前置き」というか「〜したら」という部分のことです。上の例のように「事故を見かけたら、緊急対応チームへ連絡してください。」の「事故を見かけたら」の部分を言います。こういった「導入節」のあとにはコンマが来る、これはわかりやすいですね。「前置き節」の後にはかならずコンマが来る―と考えて間違いないようです。
ところがどっこい、またこの「ご注意」マークが出てくるわけですが、「例外」もあります。
a) After class we should meet for lunch.
After class の後に本来ならコンマが要るわけですが、この場合はありません。つまり、短い文章で、かつ「放課後」という言葉が飛びこんできますね。つまりコンマが無くてもわかりやすい、ということで、コンマはつけなくても良いわけです。では、この場合はどうでしょうか。
b) By twenty careers of models are often over.
そうです、わからないですよね、何を言いたいのか。b) By twenty が「導入部分」で「20歳までには」モデル人生は終わる―という、なんだか淋しいことを言っているわけですが、これはコンマがないと理解しづらいですね。ということで、「ただ短ければコンマは要らない」のではなく、こういうわかりにくい場合はきちんと入れておかないとダメなわけです。
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