英語は日本でマスターできる
Last update January 2, 2015 (Originally written circa 2003)

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Last update January 1, 2015

英語を話す人は国際人?



国際人とはアメリカナイズか?

そもそも、この「国際人」という言葉自体がどうのこうの、という議論が専門の方々のあいだで行われているようですが、確かに、どういう定義の言葉なのかむずかしいところです。だいたいこういう言葉がまだ存在しているということ自体が、国際化されていないという証明に他ならないとも言えます。ここで言う「国際人」というのは、「日本人であると同時に、異文化圏のことも理解できたうえで、こちらの文化や考え方もきちんと説明できる人」という意味ですすめたいと思います。

さて、その「国際人」ですが、皆さんは「国際人」というとどんなイメージを持っておられますか?バイリンガルでアメリカ育ち。ハンバーガーやコカコーラが好きで、すぐに「イェーイ!」とか言う。なんていうイメージを持っておられる方は今の時代、さすがにおられないと思いますが、聞くところによると、高校から大学までアメリカで、なんやらむずかしい資格も習得していて、 TOEIC の点なども当然高くて、いまは日本の社会で生活しているのに、ふたことめには「こんなの、アメリカではやんない!」「だから、日本はダメなんだ!」と言ったりする人がいて、そういう人に限って自分は「国際人」と思っているというケースがままあるようです。別にこれを否定したりするつもりはありませんが、なんだか「イェーイ!」とあまり変わらないなと感じたりします。

という私自身も、かっては英語を勉強するということは、アメリカ人やイギリス人のようになることだと思っていた時期もありました。ずいぶん若い頃の話ですが。自分で自覚していたわけではないのですが、たぶんそう思っていたのではないかと思います。母親にもよく、アンタは「西洋かぶれ」なんだからというようなことをよく言われていたのを思い出します。子供の頃も、日本は高度成長時代、右肩上がりの時代でしたから、まだまだ「アメリカのようになるのがカッコいいんだ」と思っていたようです。アメリカのドラマや映画を見て(もちろん吹き替え)、「いいなあ、カッコいいなあ」とか。まさに舶来志向、西洋へのあこがれといったものに影響されていたのかなと思います。

しかし、年齢とともに、いろんな経験や知識を通して、英語以外の言語を勉強したりという経験もしながら、どうもこれは違うなと思うようになってきたわけです。冷静に考えればバカみたいに単純なことですが、英語圏だけが世界じゃない、アメリカには良いところもあるが悪いところもある、日本にも悪いところもあるが良いところもある。アメリカに好意的な国もあれば、アンチの国もある。そういうことを経験しながら、国際人=英語圏の図式は永遠に消え去ったわけです。

考えてみれば、アメリカで生まれ育ち、アメリカの考え方しか受け入れられないアメリカ人がいたとして、その人を「国際人」と呼べるか?というと、これはやはり「No」ですよね。つまり、お父さんの仕事の関係かなにかでアメリカで育ち、高校、大学もアメリカで過ごし、卒業と同時に日本に帰ってきた、というだけでイコール「国際人」かというと、やはりこれも「No」でしょう。アメリカナイズされているというだけのことで、それだけでは「国際人」ではないということです。

でも、そういう人でも「国際人」である可能性もあるわけで、大切なのは、環境や経験ではなく、その人の考え方・態度とかいった「精神的な要素」だと言えます。つまり、自分としての文化的なアイデンティティがあるか、異質のものを理解しようとする精神的基盤があるか、ということが「国際人」としての条件といえるかもしれません。

で、ここら辺で日本人としての「居直り」が芽生えてくるのですが、かっては「私はずーっとパンばかりでも平気です(だから私は国際人)。」とかいう人の意見に「そうですね」など同調する部分もありましたが、いまでははっきり宣言しています。「私はごはんと味噌汁が大好きです。海外に行って1週間もすると、ごはんと味噌汁が無性に恋しくなります。それが何か?」というわけです。

中学時代、英語を一生懸命勉強していた私に向って、同級生の男の子が冗談半分で「英語ばっかりやって非国民。鬼畜米英(米英人の皆さん、ごめんなさい)」とか言われたこともあって、「英語を勉強することイコール欧米化」という図式が一般的だったのかもしれません。でも、私は日本人である。日本人だからこそ、日本を大事にしたい。しかし、それは国粋主義者になるのではなく、異文化に対して日本を語り、異文化を理解し、調和を追及する。言ってみれば、日本を自覚しながら、日本を超える、日本を超えながら、日本に戻る。といったなにか「禅」問答のような答えですが、これが日本人としての国際人である、と信じている今日このごろです。



世界はどこへ行く?

20世紀の世界地図は、アメリカとソ連が両極にあり、文字通り世界の Super Powers として牽制し合いながら、ある一種のバランスをとっていました。しかし、ソ連が崩壊し、東西ドイツの壁も取り除かれ、言ってみれば片方の柱が無くなり、いまやアメリカを代表する価値観だけがひとりで立っているような状態です。こういった一連の事象を「社会主義の敗北」とか「資本主義の勝利」とみなす意見もありますが、そんなにカンタンに片付けられるものではありません。

「バランス」が無くなったということは「平衡」が無くなったということで、両極端のうち片方の極端だけが生き残っている状態です。アメリカのほうばかり向いてきた日本としては、アメリカ的な考え方が残ったことがどうしてそんなに悪いのか?と思うかもしれませんが、世界にはアメリカのやり方に反発を感じてきた文化圏の人々もいるのだということを忘れてはいけないと思います。

強いアメリカの考えだけが世界の主流になってしまえば、いろんな事情からその考え方を受け入れられない人たちはどうなるのでしょう。アメリカ的発想は1かゼロの世界、言いかえれば、アメリカに従う者は「善」で、従わない者は「悪」になってしまうのです。「保留」とか「中立」という立場は認められないということです。アメリカだけでなく、キリスト教文化を基盤としたヨーロッパの国々も同様の考え方です。そうなると、それに当てはまらない文化圏の人たちというのは当然閉め出しを食らうことになりますし、ただの閉め出しならまだしも、「悪」というレッテルが貼られかねないわけです。

ひとところ、訳のわからない「中間グレーゾーン」を持っている日本人はヘンなヤツという批判があったりして、日本人のなかにも「国際社会では白黒ハッキリモノを言わなければならない」とかいう反省もあったりで、ずいぶんと議論もされました。個人的な意見ですが、いっそのこと「イエスだけどノー」「引き分け」とかいった答えを堂々と述べたらどうかななどと思うこともあります。こんなことを言うとその筋の専門の方に怒られそうですが、「第三のオプション」がもともと得意なのが日本人ではないかと思うのです。だから、「ノーと言えないニッポン」でもいいじゃないですか?そんな考え方もあるんだよ!ということを堂々と説明すればいいと思うのです。

日本人のよくないところは、説明しないところだと思います。わからなくてもわかるまで説明する、手を変え、品を替え、表現を変えて説明する、というコミュニケーションの研究が大切だと思います。20世紀は戦争もあって、戦後もアメリカにはいろいろお世話になったかもしれませんが、それは、いつまでも「ハイ、ハイ。おっしゃる通りです。」と言い続けることではないのです。むしろ、お世話になったのなら、アメリカが知らないことを教えてあげよう、くらいの気概があってもいいのではと思うのです。これは何も政治家の皆さんだけの問題ではありません。トップから民間人まで日本人全体がこういう傾向にあるのではないか、ということです。

なぜ日本はこうなんだ?という外国人のクエスチョン。それはただ単に自分たちの文化とは違うというだけの話で、だから日本のやり方は間違っていると一方的に思わせてしまっているところには、日本人が説明していないからという責任もあるのかもしれません。

ずいぶん前の映画になりますが、日本企業をもじって作られた「ガン・ホー」という映画がありましたが、あれを見るとアメリカ人が日本人をどのように見ているかがよくわかります。他のいろんなアメリカ映画を見ても、日本人が登場する画面はたいてい、いきなり「尺八」の音楽がヒューッとかいう感じで流れてきます。また、日本人はすぐ「バンザーイ」と言うようになっています。登山で山頂に到着したところで「バンザーイ!」、悪役に殺されるシーンでも最後の言葉が「バンザーイ!」だったり、見ている日本人としては「いい加減にしろ」と思うわけです。こういう誤解はまだジョークですから問題ないのですが、仕事の話になったりすると、日本人のちょっとした説明不足で相手の外国人はひとりで悩んでいたりすることもあるようです。

21世紀の世界、一体どこへ行くのか?欧米の価値観だけが主張される世界であったとしたら、地球の存続は危ういのではないかと思います。自分たちの絶対的な価値観を死守し、他を認めない世界では戦争や殺戮のみが横行し、人類は互いに亡ぼし合うことになってしまうのではないでしょうか。

こんな大きな風呂敷を広げて、英語の上達をめざしている我々といったいどういう関係があるのか?と思われるかもしれませんが、日本人として、英語できちんと、欧米の価値観に無いことを説明・主張できるようになること、この一歩が非常に大きなことに、実は、つながっているのではないかと思うからです。ですから、英語を勉強している私たちは、こういう意識を持って勉強を続ける、それによって「単語」をひとつ覚えるにもリキが入って、毎日の英語学習が充実したものになっていくのではないかという気がしています。



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