英語の発音ってむずかしそう。辞書に書かれている訳のわからない記号もさっぱり… 学校でもとくに教えてくれるわけでもないし…。そんなあなたも、この機会にちょっとだけ頑張って、英語の発音をマスターしてみましょう。


Last update March 20, 2015



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母音と子音について

日本語の子音はどこにあるのか?

さっそく英語の母音は――ということで、[ɑ] とか、[æ]、[ʌ]、それから [ɛ] など、次々と見たこともないような記号が並ぶと、もうそれだけでイヤになってきますね。「あの、もういいです。やっぱりわたしには英語は向いていません。さよーなら」なんてことにもなりかねません。

そこで、話をわかりやすくするために、日本語を例に説明しますと、「あ行」の音、つまり、「あいうえお」の音が母音というわけです。ところが、「では、日本語の子音は?」と聞かれると、ちょっと説明しづらいものがあります。たとえば、「か」の音の [k] の音の部分です――などという苦しい説明が必要になってきます。

ちなみに、子供に英語のアルファベットを教えていると、「じゃあ、"か"の字はどれ?」などと聞かれることがありますが、k と a の文字をピックアップして並べ、「この2つで"か"」と答えるしかありません。すると、子供は好奇心旺盛ですから、「ひとつじゃないの?」「そう、2つ要るの」「日本語はひとつなのに、なんで英語は2つなの?」といった会話が展開されることになり、子供相手に「日本語には、英語の子音を表記する文字がないんです。英語と日本語は違うからね、だから、英語を勉強するときはいったん日本語は忘れて、切り離して考えてください」などと言っても幼い子供にはまさに「馬の耳に念仏」状態。結局、「こんなことしてても楽しくない。もっとおもしろいことして遊ぼー」なんてことになってしまいますね。

それはさておき、そうです。日本語には「子音」をそのまま表現できる文字がないのです。これは発音記号のことを言っているのではなく、英語なら、「kite」の「k」の音は といった表現ができるのですが、日本語では、「カイト」の「カ」の音などと言うしかありません。しかし、「カ」は「ka」とローマ字で書くとわかりますが、そこにはすでに「あ」の音を含んでおり、純粋な「k」の音を示しているわけではありません。

強引に分割すると、


のようになってしまいます。

さきほどの子供の質問ではありませんが、なぜ、日本語には「k」と「a」の音を別々に表現できる文字がないのか それは、一言で言えば、必要なかったからに他ならないでしょう。なぜなら、日本語の音の最小ユニットは「母音」のみ、あるいは「子音」+「母音」というふうに、必ず「母音」がついてまわるからです。「子音」があれば必ず「母音」があり、一体化しているというのが日本語の音です。子供の行くところには必ずお母さんがついてくる――これが、日本語の音の大きな特徴です。

言い換えれば、英語の「tree」の「tr」のように、子音だけがくっついて並ぶということもありません。必ず、ひとつの子音に対して母音がセットになっています。だから、文字表記も「子音」+「母音」と、すでに「母音」が組み込まれた形がデフォルトになっています。日本文化においては、子供大人に関わらず「母親」という存在は重要な意味を持っているようですが、母音がもれなく付いてくるというのは、音としてもなんだか安定感があります。しかし、実は、そこに、日本人が英語が下手だと言われる原因があるのです。


「子音」+「母音」の合体音に慣れてしまっている日本人にとって、英語の発音をしようと思うと、つい「母音」の音が入ってしまうのです。さきほどの「tree」も日本人的な発音では、純粋な/t/の音だけではなく、「ツリー」というふうに、「う」の音が混在しがちになります。これまで「母子」一体の音しか知らない日本人にいきなり /t/ の音だけ発音してください、子供さんだけでいいいんですと言っても、知らず知らずのうちにお母さんが というわけです。

これは、リスニング(聞き取り)にも影響していると思います。これまで母子一体の(日本人にとって)安定感のある音に慣れている日本人に子音自体の聞き取りや聞き分けは非常にむずかしいのです。つい、幼い子供ではありませんが、「お母さん、どこ?」といった心理的に上安定感を感じ、英語を聞くときにも緊張感が出てきますね。しかも、単語の最後の子音の音が次の単語の母音と影響し合い、音の変化を起こしたりしますので、文章が長くなると「ああ、もうギブアップ!」といった状態になってしまうのです。

というわけで、英語の発音やリスニングを習得する場合に必要なことは、まず、音の「親離れ」をしようと決意すること、これが第一歩ですね。

英語の母音も、日本語のように5種類だけではありません。慣れ親しんだ日本語の「母音」というニッポンのお母さんから独り立ちすることで、いろんな英語の母音の種類も心理的に受け止められるようになってくるのではないでしょうか。