英語の発音ってむずかしそう。辞書に書かれている訳のわからない記号もさっぱり… 学校でもとくに教えてくれるわけでもないし…。そんなあなたも、この機会にちょっとだけ頑張って、英語の発音をマスターしてみましょう。


Last update March 21, 2015



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発音記号について

なぜ発音記号を覚えるのか?


英単語を辞書で引くと、単語のスペルの横に表記されている「e」と「a」のくっついたような記号から、「v」が逆立ちしたようなもの、あるいは、「e」がひっくり返ったようなものもありますね。あれが、発音記号です。何のためにあるか、というと、あの発音記号を知っておけば、その単語がどういう発音をするのかがわかるからです。

もっとも、最近の電子辞書にはネイティブの発音付きのものもありますので、それを聞いたらどんな音かわかるし、発音も真似すれば大丈夫という意見もあるかと思います。しかし、すべての発音を聞いただけでマスターするのは、かなりむずかしいと思われます。もし、まったく英語の発音の知識を持っていない状態で、聞いただけですべての発音ができるという人がいたら、その人はよほど音に関する感度がいい人です。もしくは、幼い頃に生の英語に触れる機会のあった人かもしれません。もちろん、ここは「伸ばす音」だとか、日本語にもある音であればそれは可能です。しかし、もともと日本語にない音の場合、聞いただけで、勝手に舌や唇が動いて発音できてしまうんです、という人はやはりスゴイです。息の音だけしか聞こえないはずの /th/ の音を聞いて、「お、これは舌先を上下の歯の間に挟むようにして出している音だな」なんてことがわかるというのは奇跡に近いですね。

まあ、そういったスーパー日本人はさておき、個人的には、必ず母音を含む音に慣れている日本人が「空気の流れ」を識別できる能力が備わっているとは思えません。「英語の音は耳から覚える」、確かに大切です。赤ちゃんのときから、そういう環境に置かれて育ったというなら話は別です。ある研究結果によると、自国語にない音は、生まれて二ヶ月くらいですでに脳の中から除外されてしまい、識別できなくなるという説もあります。とは言え、まだ幼い年齢であれば、大人に比べて音に対して感度がいいのは事実です。でも、幼い頃にそういった体験をしていない、ある程度年齢の進んだ日本人が「聞くだけで発音をマスターしよう」というのは、現実的に無理があるのではないかという認識をしておいたほうがいいと思います。

言い換えれば、ある一定の年齢になると、理屈で覚えることも大事だと思うのです。むしろ、そちらのほうが早いかもしれません。赤ちゃんや幼い子供は理屈が理解できませんが、年齢を重ねた人にはわかります。しかも、ジョン万次郎が漂流してアメリカにたどり着いた時代とは異なり、現代ではその方面の理屈(理論)が整ってきています。耳で聞いて、「ほったいもいじったな (What time is it now?)」などといった覚え方をしなくてもいいわけです。発音記号もそういった理屈のひとつですから、積極的に活用しない手はありません。ちょっとだけ大変ですが、そこを努力して目的に到達してこそ、学ぶことの楽しさがあるわけで、楽をして「王道」(易しい方法)ばかりを追求していては、いつまでたっても目的地には到達できないと思うのです。

ということで、少しずつ、発音記号と親しくなっていきましょう。一度にすべて暗記して覚えるなどということは必要ありません。ざっと見て、また忘れたらその都度、確認すればいいのです。覚えて、忘れる、忘れてまた覚える―これが「学び」のプロセスであると考えてください。このコーナーでは、発音記号のリストをつけていますので、それをチェックしながら覚えていただくとよいと思います。


さて、辞書に記載されている「発音記号」という話に戻りましょう。現在の英語の辞書では、二種類の発音表記が使われているようです。昔は、日本で使われている英語の発音記号は、ジョーンズという人が考案したジョーンズ式の発音記号だけでしたが、今では、国際的な標準記号である、IPA (アイ・ピー・エイ:International Phonetic Alphabet) 式がだんだん採用されるようにもなってきています。あなたの辞書の記述のなかで、大文字のI のような /ɪ/ や丸っこい「v」のような記号(/ʊ/)があれば、それは IPA 方式です。英和辞典のほどんどがこのジョーンズ式か IPA 式を使っています(なかにはその辞書独自の考え方で混在しているものもあるかもしれません)。もっとも、二つの方式の違いは、主に母音の発音表記について言えることで、子音の表記はほとんど変わりません。

日本以外の国では、このIPA 式が一般的に用いられています。では、なぜ IPA 式なのかと言うと、この方式は、もともと英語だけではなく、それ以外の言語の発音もこの方式を使えば記述できるというメリットがあるからです。実際に、昔からよく使われてきたジョーンズ方式は、IPA 式に比べると、簡略化されていると言えます。たとえば、前述の /ɪ/ ですが、小文字の/i/とは厳密に音が異なるため、IPA 式では区別されていますが、ジョーンズ式では区別されていません。他にも似たような例があります。

このコーナーでは、いちおう、今後主流になると思われるIPA 式を基本にしながら、対比としてジョーンズ方式の記述も付けています。お使いの辞書と見比べながら活用していただければと思います。

また、以下の発音解説や発音練習(STEP3 実際の発音)で使用している発音は、日本の英語教育でのベースとなっているアメリカ英語のものを載せていますが、母音の後の「r」の発音を表記する /ɝ/ といった特殊なアメリカ英語表記は、煩雑さを避けるため、あえて使用しておりません。