近代英語後期  (Late Modern English)

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近代英語後期(1700〜1900)
中英語期から近代英語前期にかけてはもっぱらスペル、発音、語彙の問題に目が向けられた時代ですが、近代英語後期に入ると、文法の確立や言語としての純粋化に焦点が当てられるようになってきます。16世紀より放置状態になっている外来語の流入に対して何らかの策を講じる必要があるのではないかという意見が優勢になり、ひいては言語としてのアイデンティティーの問題にいかに対処していくかなどの課題が生じてきました。

歴史的に見ると、18世紀後半には産業革命 (the Industrial Revolution) が起こり、その結果中産階級(ブルジョワ) (the middle class; bourgeoisie) が台頭、経済的繁栄を享受しました。アメリカが独立したのもこの時期です。1837年にヴィクトリア女王が即位、それから1901年ごろまでは英国のもっとも繁栄した時期で、セイロン(スリランカ)、シンガポール、カナダ、ホンコン、オーストラリア、インド、エジプト、ケニア、南アフリカなどを次々に植民地化し、世界の4分の1を支配するに至りました。

1880年には初等教育が義務化、19世紀前半からはパブリックスクール (public school) の教育がさかんになり、学校文法が確立されます。また、それまであいまいだったコンマやアポストロフィの使い方など「句読点のルール」もようやくこの頃になり確立されてくるようになりました。

とくに言葉の流入に対しては、一般大衆の理解レベルの問題や言語としての純粋性・統一などといった局面からさかんな議論が行われるようになり、そういった問題に対処すべく辞書が編纂されたのもこの時期です。ジョンソン辞書 (Samuel Johnson) を代表として、ナサニエル・ベイリー (Nathan or Nathaniel Bailey) 『語源辞典』 (Universal Etymological English Dictionary) やロバート・コードリー (Robert Cawdrey) 『テーブル・アルファベティカル』 (Table Alphabeticall) などが出版されました。

その一方で、広範囲におよぶ植民地化により英語が世界に普及し始め、ことに18世紀後半に独立したアメリカにおける英語は「アメリカニズム」として独自路線を歩むことになり、それは後にウェブスター (Noah Webster) により『アメリカン・ディクショナリー・オブ・イングリッシュ・ランゲージ』 (An American Dictionary of English Language) (後にウェブスター辞書として発展)としてまとめられます。こうして、英国本土では純粋性や規則化が行われながらも、英語は世界各地に広まり、それぞれの地域や文化と結びつき、俗に言うピジョン・イングリッシュなどの独自の英語を生み出していくことになります。