シェークスピアの英語

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 William Shakespeare  シェークスピア (1564−1616)

 (C) Eigo-Zakkaya
この時代に活躍した代表的な作家は何と言ってもシェークスピアでしょう。それまでには見られなかった自由闊達な言葉の組み合わせや、数多くの造語を創り出し、流行させたという功績には目をみはるものがあります。また、『聖書』と並んでもっとも引用されることが多いのも彼の作品です。

代表的な作品には『ロメオとジュリエット』 (Romeo and Juliet)(1595) 、『ヘンリー5世』 (Henry V)(1519) 、『ハムレット』 (Hamlet)(1599−1601) 、『オセロ』 (Othello)(1602−4) 、『リア王』 (King Lear)(1604−5) 、『マクベス』 (Macbeth)(1606) 、『冬の夜ばなし』 (The Winter's Tale)(1610−11) など生涯に38篇の悲劇、喜劇、史劇、詩などを残しています。

シェークスピアについて、さらに詳しく知りたい方は以下のサイトにアクセスしてください(ただし、英語です)。
http://shakespeare.palomar.edu/
http://www.shakespeare.org.uk/content/view/10/10/
http://en.wikipedia.org/wiki/William_Shakespeare



以下がシェークスピアが初めて使用した言葉や表現の例です。

シェークスピアの英語−単語(現存のもの)
accomodation, assassination, barefaced, countless, courtship, dislocate, dwindle, eventful, fancy-free, lack-lustre, laughable, premeditated, sumberged

シェークスピアの英語−慣用句

表現 意味 出展
a foregone conclusion 初めからわかっている結論 Othello
salad days サラダ時代(青二才) Anthony and Cleopatra
it's Greek to me まるでギリシア語(ちんぷんかんぷん) Julius Caesar
a heaven-kissing hill 天が接吻する丘(天にもとどく峰) Hamlet
hoist with his own petard 自分の仕掛けて自分ではまる(自分の仕掛けた爆破装置で吹き飛ばされる) Hamlet
play fast and loose いいかげんに扱う(もて遊ぶ) Anthony and Cleopatra
cold comfort 慰めにも何もならないこと、もの(いっそ無いほうがましな慰め) King John
to the manner born 生まれながらの方法(生え抜きの) Hamlet
brevity is the soul of wit 「簡潔」は「知恵」の精髄(言葉が簡潔なのが第一) Hamlet
be cruel to be kind 親切にするためにきびしくする(良かれと思ってきびしくする) Hamlet

次にシェークスピア時代の英語の傾向について見てみましょう。以下は Hamlet からの有名な一説です。

Enter Hamlet.


   Pol. I heare him comming, with-drawing Lord.
   Ham. To be, or not to be, that is the question,
Whether tis nobler in the minde to suffer
The sling and arrowes of outragious fortune,
Or to take Armes against a sea of troubles,
And by opposing, end them: To die to sleepe
No more: and by a sleepe, to say we end
The hart-ake, and the thousand natural shocks
That flesh is heire to; tis a consumation
Deuoutly to be wisht to die to sleepe,
To sleepe, perchance to dreame, I there's the rub,
For in that sleepe of death what dreames may come?
When we haue shuffled off this mortal coyle
Must giue vs pause, there's the respect
That makes calamity of so long life:
For who would beare the whips and scornes of time,
主な傾向
[1] スペルについて
"u" と "v" が混用されています。これらの文字はもともと明確な区別がないまま使用されており、 "u" が母音として、 "v" が子音として区別されるようになったのは17世紀になってからです。

例)haue --> have
  giu --> give
  vs --> us

また、 sleepe などの語尾に "e" がついています。この "e" はもともとはきちんと発音されていたということです。

例)sleepe --> sleep
  minde --> mind


[2] 名詞の数について
この例文には見られませんが、一般的な傾向として、名詞の複数形が "-s" をつける以外の変化形を使用しているものもあります。たとえば、shoes「くつ」、 eyes「目」の古い複数形 shoon、 eyenを使っているなどです。また revenges「報復」のように数えられない名詞に "-s" をつけるなどの例も見られ、当時は可算、不可算名詞のルールが明確になっていなかったと見られます。

[3] 代名詞について
また中英語期に見られたように、目上の人には "you "、目下、同位の人には  "thou "というふうにニ人称を使い分けています。ちなみに "thou "は thou(汝は)、thy(汝の)、thee(汝を)、thine(汝のもの)と変化します。また、関係代名詞 which は先行詞が物、人の区別なく用いられています。

[4] 動詞について
動詞の三人称単数現在の接辞にも二つあり、 "-(e)th" を付けて maketh のように書かれたり、 "-(e)s" を伴い、 makes と表現する場合があるが、前者は固苦しい場面で、後者はくだけた場面で使い分ける傾向があったようです。また、「動き」を表す自動詞がしばしば略されるのも特徴です。(例:I must (go) to Conventry. 「私はコンヴェントリーへ行かねばならない」)  I cannot go no further. 「私はこれ以上一歩も歩けない」のような多重否定形もよく見られます。