Last update February 7, 2021

Dash — – ダッシュ (2)


3.  意外性や期待感を持たせた情報を追加する場合。   戻る


上の「2」の用例と同じと言えば同じなのですが、かといって「コロン」ではどこかしっくり来ないという微妙な用例です。つまり、前に来る情報と関連してはいるけれど、わくわくした感じを出したい、ちょっと飛んだ内容を追加したいといった、かなり感覚的な使い方になります。

 His favorite dishes arecurry, sushi and hamburgers.
 Night is younglook at the sky!
 The sun is shiningWelcome to a land of wonders.




4.  余韻や感情の表れを表現する。   戻る


文章の最後に来て、「…」のように、その後に続く語句が省略されているという含みを持たせます。「どうしてこんなことに―」など、怒りや悲しみといった強い感情のためこれ以上言葉が続けられないとか、謙虚さを表すため語尾を濁すという場合に使います。

 How dare you can.
 I said "yes" because.


5.  ダッシュの種類と用法。   戻る


ここからは応用編になります。まず、ダッシュも1種類だけではないという話から始めましょう。厳密に言うと、英語のダッシュには、m-dash(「エム・ダッシュ」)と n-dash(「エヌ・ダッシュ」)という大きく2種類があります。

 m-dash     エム・ダッシュ
 n-dash     エヌ・ダッシュ
 hyphen     ハイフン

見た目には長さが違うだけで、エム・ダッシュはだいたいの長さがアルファベットの m の幅に近いということからこう呼ばれ、同様に、エヌ・ダッシュのほうは、長さがアルファベットの n の幅に近いというわけです。ちなみに、このページでは、これまでの内容については、見慣れたエム・ダッシュのほうを使って説明しています。

また、エヌ・ダッシュなんか、ハイフンとどう違うの?という疑問が沸いてきますが、これも厳密に言うと、見ていただくとわかるように、ハイフンよりは微妙に長いですね。もちろん、用法も異なります。

エム・ダッシュとエヌ・ダッシュの使い分けは厳密ではありませんが、以下のような傾向があります。

エム・ダッシュ
前述のルール1ルール2ルール3の使い方があります。また、前後のスペースについては、必要、必要でないという両方の考え方がありますが、エム・ダッシュを使用する場合は、「必要でない」という考え方が優勢のようです。

ただし、上のルール1から3の用法についても、前後スペース付のエヌ・ダッシュを使うことを奨励しているルールブックもあるようです。とくに、記事などのコラム幅が狭いときなどに、代用してエヌ・ダッシュが好まれる場合があります。

 The guesthousebuilt in 1930is listed as national cultural heritage.
 The guesthouse – built in 1930 – is listed as national cultural heritage.

エヌ・ダッシュ
エム・ダッシュの代用として同じように使われる場合もありますが、エヌ・ダッシュの主な用法として、以下のようなものがあげられます。

1) 値の範囲を表すための記述として
「何歳から何歳まで」とか、「何日から何日まで」の「から」にあたる、値の範囲を表現します。この場合、ダッシュの前後のスペースは入れません。

 2040 years
 April 28May 6
 2:004:00 a.m.

2) 2つのものの関係・つながりを表す
試合のスコアが「3対2」の「対」、「親子関係」の「親と子」など、両者の関係を表現します。この場合もダッシュの前後のスペースは入れません。

ただし、「親子関係」など、数量以外の2つのものの関係・つながりを表現する場合は、2つの単語をつなぐという意味から、ダッシュではなくハイフンを使うべきだとする考え方もあります。

 Tigers beat Lions 42
 They decided on the 120109 vote
 parentchild relationship