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Last update May 30, 2019

古英語の発音とスペル (1)

ここまで古英語について学んでくると、実際に古英語を発音してみたい、声に出して読んでみたいという人もいるかもしれません。ここでは、古英語の発音とスペルについてのぞいてみましょう。

古英語の発音

古英語の発音の特徴をまとめると次のようになります。ただし、当時の発音についての文献はほとんどありませんので、あくまでも目安ということでご理解ください。

古英語の母音

まず、古英語の母音は、音を長く伸ばす長母音と伸ばさない短母音を区別していました。日本語でいうと「あー」というのが長母音、「あ」というのが短母音ですね。

そして、単母音というのは「あ、い、う…」などの1つの母音からなる音で、二重母音というのは「あい、あえ…」などと2つの母音を組み合わせて発音する母音のことですが、古英語には、8種類の単母音、3種類の二重母音、そして、そのそれぞれに音を伸ばす「長母音」と伸ばさない「短母音」があったわけです。

方言によっても異なりますが、表でまとめると次のようになります。なお、[ø] の発音については、カッコ書きで表記していますが、方言によっては存在しない発音という意味です。

短母音 長母音
単母音
[ɑ] [ɑː]
[æ] [æː]
[i] [iː]
[y](唇を丸めず舌を前方に置き発音する「イー」に似た音) [yː]
[u] [uː]
([ø]) (唇を丸めて舌を真ん中よりやや前方に置き発音する「ウー」に似た音) ([øː])
[e] [eː]
[o] [oː]
二重母音
[iy/ie] [iːy/iːe]
[eo] [eːo]
[æɑ] [æːɑ]

古英語の子音

古英語の子音には、以下のようなものがありました。

子音 説明
[b]/[p] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[d]/[t] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[dʒ]/[tʃ] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[k]/[ɡ] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[f]/[v] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[θ]/[ð] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[s]/[z] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[ʃ] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[h] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[j] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[l] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[r] [r] の音については、現代英語と同じという説や巻き舌の [r] だったという説がある。
[m] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[n] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[ŋ] 現代英語の発音とほぼ同じ。
[ç] [h] のバリエーションで、日本語の「ひゃ、ひゅ」などに含まれる [hj] の音に近い。
[x] [h] のバリエーションで、日本語の「はっぴょう」というときの「は」のように、喉の奥から「ハーッ」というときの強い [h] の音。
[ɣ] [g] のバリエーションで、日本語の「あげ」というときの「げ」のように、下の後ろが口の天井について出される詰まったような [g] の音。
[w](/[ʍ]) [w] は現代英語の発音と同じだが、[ʍ][w] の音の前に [h] が入る [hw] の音。