単なる「点」や「マル」のたぐいだと思っていたら、結構深い句読点。コンマのあるなしでニュアンスも違う。そう、句読点にもちゃんとメッセージがあるのです。わかっているようでわからない英語の句読点を解明。

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Comma ,
コンマ

コンマの役割

コンマとは、簡単に言ってしまえば、長い文章をどこで区切ったらいいのかという「息継ぎ」の役割をしています。「ちょっと一息」と言ってはコーヒーを飲み、「ちょっと息抜き」と言っては新聞やマンガ本を読む。いったいあの人、いつ仕事してるんやろ?というのも困りますが、逆に、朝から晩までカリカリ、机にしがみついて何やらやっている仕事中毒なんだから… というのもどうかと思います。

コンマにも同じことが言えます。コンマが多すぎて区切ってばかりの文章では、「読む」という流れが妨げられますが、コンマのまったくない長い文章も読みづらく、どの部分がどこに掛かっているのかということがわかりにくくなります。つまり、息抜きだけでなく、文章の意味をわかりやすくするために活用するのがコンマでもあるわけです。

コンマといえば、日本語の「、」の英語版かな?というのが最も単純な理解のしかたですが、日本語の「、」のように感覚でつければいい、というものでもなさそうです。「たかがコンマひとつ」ではすまされないものがあります。かと言って、すべての人が同じように厳密なルールに基づいてコンマを使っているということでもありません。そこには当然のことながら、個人の好みや考え方があるわけですし、ある人は厳密な考え方をしますし、ある人は感覚的な使い方をするかもしれません。

コンマのルール

ここでは、一般的にルールとして捉えられている「コンマのいろんな用法」を紹介してみましょう。


では、詳しく見ていくことにしましょう。


1.  三つ以上の言葉を羅列する場合に使用。   戻る


最初に例文を見てみましょう。

 He hit the ball, dropped the bat, and ran to first base.
 She had bread, coffee, and ham and eggs for breakfast.

学校では and の前にはコンマは不要だと習ったかと思いますが、そうとも限りません。以下のような場合もあります。

I plan to see Mary and Tom will go drinking while we see.

 Mary and Tom 二人に会いにいくのかな、と思って読むと「あれ?」ということで、結局、会いにいくのは Mary だけで、 Tom のほうはなんだ「飲み」に行くのかとなります。ここで最初から Mary の後にコンマがあれば、 Tom は、別の文章のユニットに入るんだという心構えができます。

 I plan to see Mary, and Tom will go drinking while we see.

この and の前のコンマを the serial comma the Oxford comma 、またthe last comma the final comma とも呼びますが、専門家の間でも、この最後のコンマが必要か、必要でないか議論が分かれているようです。しかし、混乱を防ぎ、明確に表現するためにも「入れておいたほうが良い」という意見が多いようです。

 ただし、はじめにのページで「ハム」と「エッグ」の説明で触れましたが、「ハムエッグ」とひとつセットになっている場合は、and の前にコンマはつけません。もっと顕著な例をあげると次のようになります。つまり、「タイプと速記」、「スペルと語彙」、「文法と句読点」といったセットになった勉強のコースがあるということです。

 Typing and shorthand, spelling and vocabulary, grammer and punctuation are the most popular courses.


2.  完全な文章を2つつなぐときの接続詞の前に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 He did his best, but his boss didn't like his ideas.
 She invited Henry to the party, and he accepted the invitation.

これを専門用語で言うと、「2つの独立節をつなぐ等位接続詞の前に使用」ということになります。

まず、この「独立節」ですが、英語で an independent clause と呼ばれるように「文章が独立している」ということです。「独立」というと文字通り、一人立ちすることで、文法では「完全な文章」、つまり「主語」 (subject) と「述語」 (predicate) をちゃんと具えている文章ということになります。「主語」と「述語」が装備されていない文章は、いくら長くても「一人前」とは言えないわけです。

接続詞は conjunction と呼ばれますが、どんなものがあるかというと、前の例文で出てきた and もそうですが、他に but  for  nor  yet  or  so などがあり、文字通り文章と文章をつなぐ役割をします。

日本語は「しかし」、「そして」などの接続詞が来ると、その後に「、」をつけることが多いのですが、英語では「前」につきます。日本語の感覚でコンマをつけようとすると、なんとなく but の後にコンマをつけたくなります。「息つぎ」という意味では、「しかし」と言った後におもむろにポーズを置いたりするのですが、これは話し言葉でのことで、ライティングには当てはまりません。

もちろん、絶対に but の後にコンマが来ることは無い、とは言いきれませんが、あくまでもそれはレアなケースだということです。ネイティブもよく間違うことがあるらしく、ライティングのノウハウマニュアルなどにも「間違い」として指摘されています。

つまり、 But, she did get it done on time. という用法は適切ではないということです。この場合、文章の頭に but が来ているので、その前にコンマは不要ですが、 but の後にもコンマが不要だというわけです。

では、こんな場合はどうでしょう?

 a)  But, to be fair, she did get it done on time.
 b)  The ministry changed its policy and the number of complaints dropped immediately.

見てのとおり、a) にはコンマがありますが、b) については、コンマがありません。

a) の場合は、 But のあとにコンマがついているのですが、これは実は、But のためのコンマではありません。じゃあ何のためのコンマなんだ、ということですが、次の to be fair のためのコンマです。この to be fair のように、文章の合間にチラッと入れる言葉を「挿入句」と言いますが、挿入句が入るときはその前後にコンマが入るわけです。

次のb) ですが、完全な文章を2つ and でつないでいますので、ルールどおりであればコンマが要るんじゃないか、と思ってしまいます。おっしゃるとおりで、非常にややこしいのですが、これが「例外のないルールはない」と言われるもので、「内閣が政策変更して、苦情が一気に減った」ということで、因果関係というか、2つの文章の関連性が強いですね。こういう場合には、コンマはつかないのが普通です。




3.  導入節が来る場合に使用。   戻る


「導入節」というのは、いわゆる「前置き」というか「〜したら」という部分のことです。上の例のように「事故を見かけたら、緊急対応チームへ連絡してください。」の「事故を見かけたら」の部分を言います。こういった「導入節」のあとにはコンマが来る、これはわかりやすいですね。「前置き節」の後にはかならずコンマが来る―と考えて間違いないようです。

 Running toward third base, he suddenly realized how stupid he looked.
 If you see an accident, call the emergency response team.

ところが、以下のような文章ではどうでしょう。

 a)  After class we should meet for lunch.
 b)  By twenty careers of models are often over.

a) では、After class の後に本来ならコンマが要るわけですが、この場合はありません。つまり、短い文章で、かつ「放課後」という言葉が飛びこんできますね。つまりコンマが無くてもわかりやすい、ということで、コンマはつける必要がありません。

ところが、b) ですが、これは、このままでは何を言いたいのかわかりません。By twenty が「導入部分」で「20歳までには」モデル人生は終わる―という、なんだか淋しいことを言っていますが、これはコンマがないと理解しづらいですね。ということで、「ただ短ければコンマは要らない」のではなく、こういうわかりにくい場合はきちんと入れて、

 b)  By twenty, careers of models are often over.

のように表現するのがわかりやすいでしょう。


4.  付加情報を付け加える場合に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 The Silver Bridge, which spans the Key Coast River, is falling down.
 It rained so much, and though it has stopped now, it will prevent people from going out in the field.

受験英語の英文解釈などの授業で、複雑な文章が出てくると、「まず、無くても意味が通じる部分を括弧で囲んで、それ以外の文章で意味を考えて見ましょう。」などと先生が言われていたのを思い出します。つまり、この括弧で囲む部分が「付加情報」というわけです。「挿入句」もその類いですね。こういった情報の前後にコンマをつけることで、どこからどこまでが「付加情報」なのかが一目でわかり、文章全体の理解がしやすくなります。

前述のように、「付加情報」の挿入の仕方としてコンマで囲むという方法があるわけですが、コンマだけとは限りません。括弧()で囲んでしまう場合もあれば、ダッシュ(―)を使うというやり方もあります。

同一文章のなかに「付加情報」を挿入するということは、言いかえれば、挿入先の文章全体の流れを一時遮断するということになります。その遮断の程度によって、コンマなのか、括弧囲みか、ダッシュなのかという使い分けをします。コンマを使う場合は、最も文章の流れへの影響が少ない、つまり遮断の程度が軽い、ということになります。括弧はそれよりも強い場合、ダッシュはさらに遮断度が強くなります。


5.  接続副詞の後に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 However, some revisions may be required.
 Consequently, I did not receive an answer to his letter.

「接続副詞」とは、文章のアタマに来るような副詞のことで、「しかしながら」、「したがって」といった類の言葉を言います。

なかでも最もよく見かけるのが、however ですね。その他にも therefore, moreover, besides, consequently, accordingly, further, thus, indeed, instead, next, similarly, finally, などがあり、こういった単語の後にはコンマをつける、という決まりがあります。

また、 however のように、よく文中に登場する場合がありますが、その場合は、

 One must remember, however, that newspapers are not always accurate.

のように、その前後にコンマを入れます。


6.  等位形容詞が続く場合に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 It was a dark, silent, empty room.
 The efficient, business-like secretary received an advance in pay.

「等位形容詞」はcoordinate adjectives といいますが、いったいどんな形容詞かというと、同じ名詞を修飾する同等レベルの形容詞たちということになります。つまり、わかりやすく言えば、ひとりのボスによいしょする同じ地位の子分たちというところでしょうか?この場合、子分たちはボスにとっては同等の部下であり、みんな一様にボスを修飾(よいしょ)するわけです。ヘンな例えになってしまいましたが、実際の例文で見てみると、

 He is a tall, strong, handsome man.

文中の赤い文字の部分が等位形容詞です。確かに「背が高い」だの「ハンサム」だのと man という名詞(=ボス)をよいしょしていますが、それぞれの形容詞の後に名詞をつけて表現してみても内容的に意味が変わりません。つまり、a tall man, strong man, handsome man となるわけです。言い換えれば、tall, strong, handsome という3つの形容詞がお互いに修飾せずに、名詞である man だけを個別に修飾しているというのが、等位形容詞の特徴です。こういった形容詞が続く場合はコンマをつける必要があります。ただし、最後の等位形容詞の後にはコンマはつきません。

では、こういう場合はどうでしょう。

 a)  The five silver spoons were very expensive.
 b)  We found an old red binder.

ブルーの部分が形容詞ですが、これは等位形容詞ではありません。five と silver は同等のレベルで名詞の spoons を修飾しているものではありません。five は spoons に直接掛かっているのではなく、あくまでも silver spoons を修飾しているというわけです。

組織にたとえると、等位形容詞の場合は、ひとりのボスに対して並列の数人の子分、つまりフラットな組織ですが、five、silver の場合は並列の子分ではなく、子分の下に子分がいるといった昔ながらのピラミッド型の組織であるといえるでしょう。形容詞間が並列・対等ではなく、どちらかがもう一方に掛かっているといった上下構造のようなものが存在するのです。




7.  引用が来る場合に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 The director asked, “How many of you are in favor of this change in policy?”
 “The question is,” said Alice, “whether you can make words mean so many things.”
 “Knowledge is power,” wrote Francis Bacon.

つまり、引用符(“ ”)の前にコンマを使うということです。これは引用符を使用する「直接法」のときだけで、She said that she was wrong. のような間接法の場合はコンマは使いません。

また、上の例文の二番目のように、引用している文章を分割する場合は、分割する個所と、次の引用符が始まる前に合計2つのコンマが必要になります。この場合、引用文はどこでも適当に分割すればよいというものではありません。上の例や、“When we get over there,” Pullman said, “we'll have a couple of drinks.” などのように、文章として通常コンマを入れるところや、フレーズとして1セットになったようなところで区切る必要があります。


8.  相反するものを対比させる場合に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 It was her money, not her charm or personality, that first attracted him.
 I asked you to file the contract, not destroy it.
 The puppies were cute, but very messy.

「仕事が多すぎるんじゃない、人が少なすぎるんだ!」など、「〜ではなく、〜なのだ」というときにはコンマが必要です。ただし、例文の一番最後のように、but を使う場合は、コンマをつけないこともあります。


9.  間投詞の後に使用。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 I'm glad that's over.
 My, it's really raining.

間投詞は interjection と言いますが、いわゆる「わあ!ヘイ!」など「ビックリマーク(感嘆符)」(!) an exclamation point (or mark) を伴う品詞のことです。でも、あまりビックリばかりしていてもどうかということなのか、ビックリマークの代用として使用されます。


10.  非制限的な用法。   戻る


まず、例文を見てみましょう。

 a) Your brother, John, ate my ice cream.
 b) Your brother John ate my ice cream.
 c) The girl who lives next door came to work in our office.
 d) Mr. Suzuki, who lives in Tokyo, came to work in our office.

これはルール4の「付加情報」の個所と関連があります。コンマひとつとっても、どこでもばら撒いといたらいいというものではなく、やはり、その裏には情報や気持ちが隠されているということです。

「非制限的」というとむずかしそうですが、要は「本筋から無視してもいいような」フレーズなり、文章であるということです。よく話の長い人がいますが、なぜ話が長くなるかと言うと、本筋には直接関係ない付随する要素を細かく話してしまうからですね。例えば、「昨日ある人がお宅のお店に行きたいというので住所教えといたので、よろしくね。」ということを伝えるのに、そのある人は、どんな人で、どこに住んでいて、自分とはどんな関係でといったことまで伝えようとするから長くなるわけですが、こういった本筋から無視できるような内容をコンマで囲むというルールがあるということです。

しかし、ここでややこしいのは、コンマを使う場合と使わない場合とで意味が変わってくるということです。コンマを使って囲む場合は「無視できる情報」なのですが、コンマを使わない場合は「無視できない情報」であるという含みがあるわけです。

例文のa) と b) を見てみると、a) の例文では、コンマを使用しているので、ジョンという名前は付け足しになります。つまり、兄弟はジョンくん一人しかいないので区別しなくていいわけです。「キミの弟であるジョンくん」という意味になります。ところが、b) は「キミの弟のジョンくん」となり、この場合、弟は一人ではありません。つまり、どの弟かを言いたいわけですから、コンマは使用しません。

同じように c) と d) では、それぞれ「なんと、隣りの女の子が会社に来てね」、「スズキさんという人なんだけど、―なんでも東京に住んでるらしいけど― その人が来たんだ」といった感じになります。c) では「隣りに住んでいる」ということが言いたいことなので、コンマはつきませんが、d) ではスズキさんという名前のほうが大事で、東京に住んでいることは二の次、つまり、付随情報だと言えます。


11.  日付、数字、肩書き、住所などに使用。   戻る


まず、例を見てみましょう。

 a) April 28, ―日付
 b) The Declaration of Independence was signed on 4 July 1776. ―日付
 c) Ted Brown, Professor of English ―肩書き
 d) Queen Elizabeth II; Martin Luther King Jr. ―肩書き
 e) 5,456,783 ―数字
 f) The president was born April 8, 1872, at Elm Street, Cleveland, Ohio. ―日付、住所

まず、日付ですが、a) と b) 
を見ると語順が違います。a) の場合は、年代の前にコンマが必要です。ただし、April 2002 のように年月だけになるとコンマは不要です。また、b) は、どちらかというとイギリス式の表記になりますが、この場合もコンマは不要です。

次に d) のような名前につく「二世」や「ジュニア」ですが、以前は名前の後にコンマを入れていたようですが、最近ではあまりコンマは使わないようです。

e) のような4桁以上の数字にはコンマが入ります。ただし、年代表記 the year 2001 やページ番号 page 2348、ストリートNO、電話番号、郵便番号などにはコンマは使いません。

ただし、数字の3桁ごとのコンマに関しては、マニュアルなどの技術文書では使用されない傾向もあります。これは、英語以外では、コンマを小数点表記として使用する言語があるためです。技術的な文書では、数字は非常に大切です。英語が母国語でない読者が英語の技術文書を読んだときに、万一、うっかりコンマと小数点を間違えたりすると、場合によっては生命にかかわる事態にもなりかねないため、こういったリスクを事前に防ぐという意図があります。4桁までならコンマは使用せずに、5桁以上の場合は、コンマの代わりに半角スペースを入れて分かち書きするという方法がとられることもあります。

英語の表記
 10,000,000

他の言語(フランス語、スペイン語など)
 10.000.000

奨励表記
 10 000 000

以上、長くなりましたが、コンマの用法ということで見てきました。


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