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Last update April 7, 2020 (Originally posted May 4, 2002)

英文広告例 (4)

自動車メーカー英文広告 (2)


The Power of Dreams (Source: HONDA Advertisement)




Honda believes it won't be long before robots are part of our everyday lives. ASIMO, our fast evolving two-legged robot already walks just like a human, even up and down slopes and stairways. At 120cm and 52kg, ASIMO is the right size for unobstrusive service to society -- a dream long depicted in science fiction. Step by step, through constant innovation, Honda is transforming dreams into people-friendly reality.


前回に引き続き、クルマ関係の大企業さんの広告です。二本足で歩行し、階段の上り下りもできるというロボットくんを登場させ、「夢」を語る企業広告です。このロボットくんですが、ニューヨーク証券取引所の25周年を記念して取引開始のベルを鳴らしたということです。まさにスターウォーズのような世界がいよいよ現実になるのでしょうか?

未来を担う可愛い子供たちに囲まれて駅か何かの階段を降りてくるロボットくん、チラと横を向いていたりして、子供たちの表情もいかにも自然です。とてもヤラセとは思えません。自然なシチュエーションのなかで押さえられた1ショットなのかもしれません。広告の三要素―子供、女性、動物―を活用することで、広告自体の注目度がアップするという原則を見事に成功させている例だと思います。





結局人間なんて単純なもので、可愛いものや美しいものがあるとそれだけで「あ、何だろ?」と注目してしまうものです。これは広告サーベイなどを見ても「子供が出ていて可愛いから良い印象を持った」といった意見もあることからうなづけます。子供たちがランダムに集まってきているような集団が、絵柄的にもパワーを出していると思いますし、子供たちの黄色と紺のおそろいの服のなかにロボットの白というシンプルな色使いが、下手すればゴチャゴチャとしてしまうかもしれない図柄をうまくまとめていると思います。まとめながら、動きやパワーが出ている、良い写真です。タイトルの色も赤なんかにしなかったのがかえって良い印象を出していると思います。

注目度アップのための広告の三要素のひとつということなのか、子供の写真を使用している企業広告はたくさんあります。でも、たいてい、子供たちを集めて「はい、チーズ」みたいなカメラ視線が真正面のニコニコ・パチリで終っているのが大半です。なかには、何かセットを作ってそこで遊ばせているようなビジュアルも見たことがありますが、なんか作為的で好きになれません。子供の遊びは創造的だということをベースのコンセプトとして表現したかったのだと思いますが、カメラ目線がみな同じで、大人が準備したキレイなセットのなかで遊ばされているような感じがしてなりません。それは子供がすすんでやろうと自然発生的に出てきた「遊び」ではないわけで、それが見えてしまう。「わたしたちは、子供を使って自社のアピールを図っています」と無言のうちに宣言しているような… 言いすぎかもしれませんが、個人的にはどうも好きにはなれません。

今回は、ビジュアルにばかり触れてしまいましたが、タイトルとして使われている言葉はこの企業のスローガンです。やはり、日本企業は Dream が好きです。いや、別にいいんですけどね。こんな世知辛い世の中ですから、夢もたくさん見ましょう。