学校時代に「英語バカ」と言われた筆者が、英語以外の学科ももっと勉強しておけばよかった、という一種「反省」をこめてお届けするコーナー。どんな教科も試験のための暗記だけでは決して興味は持てません。本質を理解するような学び方をすればもっと面白いはずです。

Last update March 30, 2015




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Chemistry

Chemical Element Naming - 元素の英語名


原子番号 (Atomic Number) だけでなく、固有の名前がついているのが元素。水が生まれるから「水素」 (Hydrogen) 、酸っぱいから「酸素」 (Oxygen) など、その性質を表したものから、マグネシア (Magnesia) という場所で採れたから「マグネシウム」 (Magnesium) といった地名を表すもの、人名に由来するもの、その他新しい元素については、まだ正式に認定されていないので「ウンウン○○ウム」などの仮の名前がついているものなど、元素の名前の命名法もいろいろです。

  性質を表したもの
元素としても発見された時代が古く、ギリシア語やラテン語を語源とする名前が多いのも特徴です。
例) 「水素」 (Hydrogen) → ギリシア語の hydros 「水」+ギリシア語の -genes 「生まれる」
「酸素」 (Oxygen) → ギリシア語の oxus 「鋭い、酸っぱい」+ギリシア語の -genes 「生まれる」

  神話にちなむもの
ギリシア神話などの登場人物に由来する名前もあり、同時に惑星などの天体名にも使われているものもあります。
例) 「セリウム」 (Cerium) → ローマ神話の女神 Ceres 「ケレース」(小惑星「ケレス」)+金属元素を表す接尾辞 -ium
「ニオブ」 (Niobium) → ギリシア神話の Tantalus 「タンタロス」の娘 Niobe 「ニオベー」+金属元素を表す接尾辞 -ium



  地名にちなむもの
発見された場所などの地名に由来するものもあり、なかでもスウェーデンのイッテルビーから由来した名前がよくみられます。
例) 「ユウロピウム」 (Europium) → Europe 「ヨーロッパ」+金属元素を表す接尾辞 -ium
「イッテルビウム」 (Ytterbium) → スウェーデンの町 Ytterby 「イッテルビー」+金属元素を表す接尾辞 -ium

  人名にちなむもの
元素や元素が分離された元の物質などの発見者の名前に由来するものもあります。
例) 「ガドリニウム」 (Gadolinium) → フィンランドの化学者 Gadolin 「ガドリン」+金属元素を表す接尾辞 -ium
「キュリウム」 (Curium) → Curie 「キュリー」+金属元素を表す接尾辞 -ium

  語尾が -ium (-um) で終わるもの
マグネシウム (Magnesium) のように、語尾が「-ium」(「-um」の場合も同様)の接尾辞で終わるものも多くみられます。もともとこの接尾辞は、ギリシア語の -ion に相当するラテン語の接尾辞で、動詞や形容詞から名詞を作るという働きをします。これが元素の名前に用いられる場合、その性質が金属であることを表しています。ただし例外もあります。
例) 「マグネシウム」 (Magnesium) → 小アジアの古代都市の名前 Magnesia「マグネシア」+金属元素を表す接尾辞 -ium
「リチウム」 (Lithium) → ギリシア語の lithos 「石」+金属元素を表す接尾辞 -ium

  語尾が -ine で終わるもの
塩素 (Chlorine) のように、語尾が「-ine」の接尾辞で終わる名前もあります。本来この接尾辞は「〜のような、に似た」という意味の形容詞を作る働きを持ちますが、化学では名詞を形成するために使われます。
例) 「塩素」 (Chlorine) → ギリシア語の khloros 「暗い緑色」+元素を表す接尾辞 -ine
「臭素」 (Bromine) → ギリシア語の bromos 「悪臭」+元素を表す接尾辞 -ine

  英語と元素記号がかけ離れたもの
金、銀をはじめ鉄やナトリウムなど、英語の名前と元素記号がかけ離れている名前もあります。
例) 「ナトリウム」 (Sodium) → 元素記号の Na はラテン語の natrium から
「鉄」 (Iron) → 元素記号の Fe はラテン語の ferrum 「金属」から

  仮の名前のついたもの
新しく発見された元素は、正式に認定され、その名前が決定されるまでは長い期間がかかるのが普通です。その間、原子番号をもとにIUPAC (International Union of Pure and Applied Chemistry)「国際純正・応用化学連合」が定めた命名法に従って仮の名前で呼ばれます。その命名法とは以下のようなものです。

数字 呼び方(1の位以外) 呼び方(1の位)
0 nil (ニル) nilium (ニリウム)
1 un (ウン) unium (ウニウム)
2 bi (ビ) bium (ビウム)
3 tri (トリ) trium (トリウム)
4 quad (クアド) quadium (クアジウム)
5 pent (ペント) pentium (ペンチウム)
6 hex (ヘキス) hexium (ヘキシウム)
7 sept (セプト) septium (セプチウム)
8 oct(オクト) octium(オクチウム)
9 en(n) (エン) ennium (エンニウム)

例) 「ウンウンペンチウム」 (Ununpentium) → Un 「1の位以外の1」+Un 「1の位以外の1」+ Pentium 「1の位の5」
「ウンウンセプチウム」 (Ununseptium) → Un 「1の位以外の1」+Un 「1の位以外の1」+ Septium 「1の位の7」



では、基本を押さえたところで、さっそく英語で勉強してみましょう。

http://www.chemistryland.com/CHM130S/06-Nomenclature/LanguageOfChemistry/Language.htm
元素や物質の名前について英語で書かれたサイトです。

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