Last update March 22, 2022

スコットランド英語

スコットランド語ルーツの語彙

スコットランド英語特有の語彙の多くは、スコットランド語からの借用です。スコットランド語とは、冒頭にも少し述べましたが、そのルーツは古代英語にあります。現代の北イングランドとスコットランド南東部にあったノーサンブリア王国で話されていた英語が、7世紀に移民してきた話者によってもたらされたのが始まりです。その後、スカンジナビア由来のノルド語やローマによるラテン語の影響、さらにはオランダ語などの影響も受けながら独自に発展し、スコットランド語となったわけです。




以下、スコットランド語から入ってきた英語の語彙をいくつかご紹介します。

単語 意味 備考
aye はい (yes) 他の英語圏でも使用
bairn 子供 語源はゲルマン祖語で、現代スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク語の barn も同源
bonnie 可愛い、美しい 語源はラテン語の bonus と推定
canny 順調な、心地よい、優しい 語源は can 「できる」の語源である古英語の cunnan 「やり方を知っている」
braw 素晴らしい、優れた(外見や服装など) brave の変形
dreich 陰気な、(天気などが)陰うつな 語源は古英語の dreog
drouthy 喉が渇いた、乾燥した  
-ie 「小さい」を表す接尾辞 例:laddie 「若い男」、lassie 「若い女性」、shoppie 「小さな店」、sweetie 「お菓子」
haver 無駄話をする 北イングランドでも使用
Hogmanay 大晦日 語源は古フランス語の aguillanneuf 「一年の最後の日」
ken 知っている 語源は古英語の cennan、古ノルド語の kenna 「理解する」
kirk 教会 語源は古ノルド語の kirkja、古英語の cirice
janitor 学校の管理人 語源はラテン語の ianitor 「ドアの管理人」。アメリカ英語でも使用
muckle 大きな  
ned 不良青年、ゴロツキ 貧しい住居に住みラフなスポーツウェアを着た暴力沙汰や軽犯罪を行なう若者
numpty トンマ、のろま、バカ  
outwith ~の外側、~以外 一般的な英語では outside of
peely-wally 顔色が悪い  
pinkie 小指 語源はオランダ語の pinkje (pink + 縮小辞)。アメリカ英語でも使用
remit 職務記述書 一般的な英語では job description
short leet 選考リスト 求人などであらかじめ選考された応募者のリスト
stooshie 混乱 意見の相違や誤解による混乱。語源はおそらく ecstasy の縮小形
scunner 嫌悪 中期英語の skunner 「嫌悪のあまりひるむ」
wee 小さい、少ない、時間の早い 語源は古英語の wæg 「重さ」。ニュージーランド英語でも使用