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Last update April 7, 2020 (Originally posted July, 2001)

英文広告例 (1)

英文ダイレクトメール


DIRECT MAIL (Source: ASIAWEEK Direct Mail)


July 2001

Dear XXX,

Let me be frank.

I am writing to you because I want you to become an ASIAWEEK subscriber.

Why you? As the President of ASIAWEEK, I believe a magazine is only as good as the readers it attracts.
Therefore, it is important to me that we obtain the readership of leading professionals such as yourself.

So I have authorized our business office to offer you a subscription at the low professional rate of just ¥320 per issue. That's 61% off our newsstand rate, plus all special issues at no extra charge. You simply can't get ASIAWEEK for less.

In addition to saving a great deal of money, you'll also be acquiring an invaluable business tool...

ASIAWEEK keeps you informed on the most crucial issues in Asian business and society. From promising new products and technology to market trends and people in business. ASIAWEEK alerts you to changes in government policy, leadership and the economy. And offers advice on how to invest your money wisely.

In short, ASIAWEEK will show you not only what's happening, but why it's happening and what effect it will have on you, your business, your customers - and your bottom line.

Also, we'll be pleased to send you a FREE GIFT to thank you for your subscription: the ASIAWEEK Weekender. Please refer to the enclosed flyer for further details.

To accept your FREE GIFT and your low professional rate, simply return the order from in the enclosed envelope.

I look forward to hearing from you.

Sincerely,

Signature

Name
President


雑誌を購読しないかという「売り込み」のダイレクトメール(DM)の文章です。アメリカなどでは「セールスレター」と呼ばれますが、見込み客リストを入手して、そこに掲載されている個人に向けて直接売り込むやり方で非常に効率的です。私もかつて TIME 誌を購読していたことから、その購読者リストが出回っていたものと思われます。

冒頭からいきなり Let me be frank. と始めています。日本語の DM ですと「昨今の社会事情は云々…」といった長い前置きから始めますが、英語の場合はたいていこういった「前置き」や「ご挨拶」のようなものはなく、「ぶっちゃけた話、うちの雑誌を購読して欲しいんです」といった風にいきなり始まるのが普通です。

そして、次の Why you? ですが、これも広告・販促といったいわゆるコミュニケーションの語り口らしく、短いセンテンスで投げかけます。厳密に言えば Why are you chosen? とか Why we are writing to you? といったふうになるでしょう。実際ネイティブの中にもこのようにリライトしてしまう人もいますが、地域や個人の好み的な部分もあります。

その後の As the President of ASIAWEEK... からのくだりですが、「雑誌も読者によって決まるといいます。だからこそあなたに読者になっていただきたいのです」ということで「ようそこまでシラコイことが言えるなあ…」と思ったりしますが、そこは売り込みの文章です。合わせて次の So I have authorized our business office to offer... というのも「あなたのために特別に取り計らいました」と言わんばかりですが、「見え見え」ですね。しかし、「見え見え」であっても読むほうは悪い気はしないわけですので、いちおうコミュニケーションとしては「成功」していると言えるでしょう。ダイレクトメールは文字通り個人に直接来る「売り込み」ですから、こういった書き方は「定石」です。You simply can't get ASIAWEEK for less. という表現も広告表現らしいですね。

そしてお決まりのスタイルですが、定価よりこれこれ、これくらい安くなっていくらになる、だから年間通してこれくらいお得といったようなことを具体的に強調します。雑誌なので「定価」は newsstand rate と表現されていますが、覚えておきたい言葉です。

英語では言いたいことを先に言うとありますが、とにかく「ディスカウント」のことがいちばん言いたいことだというのがわかります。今日のように Internet などでいち早く情報が(しかもタダで)入手できるわけですから、雑誌も大変だなと思ってしまいます。ともあれ、安いだけでは当然いけませんので、きちんと内容についても述べています。ASIAWEEK keeps you informed のブロックですが、それぞれの文章も短くて歯切れがいいと思います。From promising new products and technology to market trends and people in business.From... で始まり to market trends ... business. とピリオドでいったん文章を切っています。もちろん、カンマで区切って次の文章とつなげてもいいのですが、文章のメリハリをつけるために完全な文章で終わらずに、途中であえてピリオドで止めてしまう、というのも広告などによく見られる手法です。

次のブロックに行きますが、In short, ASIAWEEK will show you not only what's happening, but why it's happening and what effect it will have on you, your business, your customers - and your bottom line.not only, but の対比、そしてwhatwhy を並べ、最後にyou を繰り返しながら盛り上げていくリズムのある文章になっています。

そして最後に出てくるのはこれまたお決まりの FREE GIFT で、必ずといっていいほど出てきます。それも雑誌ならたいてい特製バッグの場合が多いようです。しかもご丁寧にその特製バッグのプロモーションまでしているのが普通です。以下にその特製バッグの特長コピーをご紹介しておきます。えらい大げさやなあ、と思いますが、プロモーション英語の世界ではごく普通の書き方なのです。






THE ASIAWEEK WEEKENDER

Finally a wheel-on bag that works as hard as you do! Rugged and ready for any adventure, the ASIAWEEK WEEKENDER is everything you'd want from a piece of carry-on-luggage.

* Durable Waterproof Nylon Construction
* Roomy Interior for Personal and Business Essentials
* Convenient Inside / Outside Pockets
* Stylish Design with Soft-padded Handles
* Side Strap and Detachable Shoulder Strap

Just one look at the ASIAWEEK WEEKENDER and you'll see why professionals throughout Asia won't leave home without it.



いかがですか?よくここまで言うわと思いながらも、モノクロのバッグの写真を見ながらも、なんとなくひとつあってもいいかな?と思わせてしまうのも、セールスレターとしての「うまさ」と言えるでしょう。

たかが「おまけのバッグ」に「働き者のあなたにふさわしい、丈夫で長持ち、おすすめの一品。これを持って出かけよう、どんな冒険にもおまかせ!欲しかった機能がすべてそろったバッグです」なんてもう冗談かなと思わせるものがあります。しかも最後の why professionals throughout Asia won't leave home without it. というのは明らかに(?)一時日本でも流行った「出かけるときは忘れずに」というフレーズの英語版 Don't leave home without it. のパロディーですね。思わず笑ってしまいながらもなぜか憎めない… そんな広告文でした。