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Last update July 10, 2012


ネイティブチェックの傾向


では、このネイティブチェックというのは、具体的にどういう修正をしてくるのかを見てみよう。推測されるネイティブチェッカーのタイプと傾向でも述べたが、文章として間違っていない範囲で修正するか、ひとつの「読み物」として完成させるかは、そのネイティブのタイプなどによっても異なる。ここでは、それらをすべてひっくるめて、強引に分類してみると、次のようになる。

 冠詞の用法に関する修正。
 それ以外の文法的な修正。
 ライティング(読み物)として修正。




冠詞の用法に関する修正

冠詞を持たない言語を使用している日本人にとって、冠詞ほど悩ましいものはない。実社会での英文作成における冠詞の使い方には、はっきり言って学校の文法で習う内容などは役に立たない。また、辞書に掲載されている説明を見ても、考え得る用例を羅列しているだけで、どういうときにどの用例が該当するのかという意味では、さっぱり使い物にならない。「ひとつしかないものに対してはすべて定冠詞を使えばいい」とか、「初めて登場するものには不定冠詞、一度出てきたものに対しては定冠詞」といったお決まりの規則がすべての用例に当てはまるわけでもない。実際の文章を数多く読んで、感覚でつかんでいくしかないのだが、かと言って、そんなに簡単につかめるものでもない。

そんな、日本人にとってはお手上げ状態の部分をチェックし、修正してくれるだけでもネイティブチェックはありがたいものだ。冠詞に関する修正箇所を修正前の原稿と比較することでかなり勉強になる。用例については、ネイティブチェック例―冠詞で挙げている。

それ以外の文法的な修正

前置詞の用法、類似した単語の使い分け、品詞、関係詞などに関する修正が入ってくる。日本語でいうところの「てにをは」や漢字の送り仮名、言葉の使い分けというわけだ。日本人にはわかりにくい点や間違いやすい部分も指摘してもらえるので助かるのだが、だからと言って、すべてお任せというのももったいない。つまり、冠詞に比べれば、文法的な規則や用例、単語のニュアンスの違いなどは、ある程度こちらで勉強し、調べておいてから文章作成を行い、ネイティブチェックは「答え合わせ」くらいの気持ちで臨まないと文章力の向上にはつながらない。また、その際に、英和・和英辞典だけを使って済まそうなんてことでは、まだまだ甘いだろう。特に言葉の意味合いの違いなどをつかもうと思えば英英辞典は必須だ。用例は、ネイティブチェック例―文法的修正で挙げている。



ライティング(読み物)として修正

以上は、英文として間違っていないかという範囲のチェックであるが、ここでいうチェックは、読み物として読みやすい、ムダなく簡潔に表現する、文章間のつながりがスムーズ、読者を退屈させないといった配慮に基づく修正内容である。もちろん、一口に「読み物」と言っても、その種類にはいろいろある。技術マニュアルなどの文章は短文で簡潔に表現、広告関連などの文章は読者のアテンションをゲットし、逃がさない工夫が必要で、物語風の内容になると、ある程度長さのある文章も交えながら表現することが必要になる。つまり、読み物の内容・性格によってスタイルがあるわけだが、そういったことを考慮しながら、ネイティブチェックの範囲で修正をしてもらえる。

ただし、これは、チェックする側にもセンスが必要であり、それなりのライティング経験を持ったネイティブに依頼するのが前提だ。なおかつ、こちらで文法的な間違いなどはできるだけクリアし、誤解のない良い文章を作成することで、チェッカー自身も余計な修正の手間がなくなるため、読み物としてのブラッシュアップに集中してもらうことができるというわけだ。実際の例は、ネイティブチェック例―表現を参照。