経済力にもカゲリが見えてきたニッポン。そんな日本が国際社会をリードするには堂々と意見を主張できる英語力。軽いノリの日常会話ではなく、系統立てて意見を述べるには、そのベースとなる文章力が必要です。ここでは「冠詞」のとらえ方について考えてみましょう。



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Last update June 30, 2019 (Originally posted in 2001)

冠詞のとらえかた・考え方 (2)

じゃあね、一体、冠詞がどういう「情報」を持っているのか、ということになりますね。そこでですね、ちょっと具体的な例をあげてみましょう。みなさん、おリンゴ好きですか?私はリンゴ大好きでね、かじっても歯茎から血が出ないんですよ。(関係ないですね、失礼。)では、わかりやすくするために、リンゴを使って「冠詞の有るとき、無いとき」また「定冠詞のとき、不定冠詞のとき」というのを絵で表現してみましょう。

不定冠詞
文字通り「リンゴ1個ください。」というときの「リンゴ」で、任意のリンゴを指す。a, anone と同じ意味で「ひとつ」を意味する。

定冠詞
「例のあのリンゴ持ってきて」といった条件付きの「リンゴ」で、たとえば、かじりかけて置いておいたリンゴ。任意ではなく、限定度が高い。the の語源は指示形容詞の that

無冠詞
「リンゴ」というおぼろげな概念があるだけで、具体性はない。つまり、任意性もなく、具体性もない、バーチャルなリンゴでしかない。


という具合になるんですがね。よく引き合いに出される「例え」ですけどね。これ、私のオリジナルの「例え」かと思いましたがね、あるとき偶然、とある偉いセレブの方がね、自分の本に同じような「例え」を出してましたよ。いえ、私が真似したんじゃないですよ。ひょっとしたら向こうが私の真似をしたのかもしれませんけど、まあ、向こうのほうが有名ですからね。そう言ったところで誰も信じてくれません。別にいいんですけどね。おっと、話が脱線してしまいましたね。

つまり an apple の場合、「1個の、どれでもいい」という情報が含まれているわけですね。「 an apple ください」と言うと、話し手も「リンゴだったらどれでもいいよ」ということを暗に言ってるわけで、聞き手のほうも「あ、どのリンゴでもいいんだな」と思うわけです。

ところがですね、次の「かじりかけのリンゴ」。このリンゴですが、例えば、私がリンゴをかじりかけてそのままテーブルに置いていたとしますね、すると家内がですね、「あら、またこんなところにかじりかけのリンゴ置いてるんだから」とブツブツ言ったりするわけですね。まあ、私もあんまりガミガミ言われるとうるさいですから、Bring me the apple (「そのリンゴ持ってきて。」)と言うわけです。そうすると家内はですね、テーブルの上には新しい(かじっていない)リンゴが他にあるにもかかわらず、わざわざかじりかけのリンゴを持ってくるわけです。こんな具合に、the apple には、「例の、そのリンゴ、あのリンゴ」といった情報が含まれていて、お互いの信頼関係や前後のつながりなどから聞き手にもどのリンゴかがわかる、というような前提があるんです。いかがですか?

では、無冠詞の場合は… っていうと、上の絵では「おぼろ」リンゴになってますが、これは何を言いたかったかといいますとね、「名詞」として「カタチが無い」とでもいいましょうか、「具体性がない」とも言えますね。つまり、話し手と受け手の頭の中に具体的なイメージが浮かんでいない状態なんです。「1個」とか「複数個」とか、話題になっているリンゴといった「名詞」として具体的じゃない。ということは、厳密には「名詞」として扱われていないとも言えます。

どういう場合があるかと言うと、the color of apple is red とかいうときの apple ですね。ここには、anthe もないですね。単なる apple だけです。これは「リンゴの色」ということで、ここでの名詞は「色」です。だから color には the がついてますね。でも、apple には何もついていない。ここの apple は「リンゴの」という修飾語にしかすぎないからなんです。





いやー、難しいですね。確かに、「冠詞」ってのは。ここだけの話ですがね、「冠詞なんて簡単」なんて言う人がいますけどね、あれウソだと思いますよ。英語のライティングをやってない人だと思いますね、そういうことが言えるのは…。いろんなケースがありますからね、ネイティブさん同志でもよく議論されたりしますよ。ですからね、ここの説明だけですべてわかるものだなんて思ってませんよ。また、冠詞については、いつか機会を見てもう少し詳しくやってみたいですけどね。

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